『あなた、騙されてますよ💦』
前回、弾道を測る計測器ではシャフトの動きが完璧に解るわけではない。
といった、内容をお伝えしましたが、こう思われる方もいるかもしれない。
いや、どこもフィッティングで弾道計測器を使ってるよ!!
ヘッドスピードやスピン量も、ちゃんと見てクラブを選んでます!
といったゴルファーの皆様、現状特にそのクラブが問題なく使えている方は、無視して頂いて結構です。
が、
思った通りに飛ばない。
計測器ほど飛んでない気がする。
といったゴルファーは、ちょっと僕の話を聞いてほしい。
あんなにフィッティングでは飛んでたのに、なんでだろう?
結構高いお金払ったけど、テキトーに買った前のクラブのほうが飛んでる?
といったケースを、僕はよく耳にするのだ。
世の中にはこんな格言がある。
『数字は噓をつかない。だが、嘘つきは数字を使う。』
もちルダ視点で見ると、ちまたのフィッティングとやらは、基本的にこの域を脱していないように感じるのだ。
それはなぜか?
販売店やメディアで一番強調される部分はどこだろうか?
①飛距離(キャリー+ラン)
②ヘッドスピード
③初速
④バックスピン
⑤サイドスピン☜この時点でアウトだけどww
⑥弾道の曲がり幅
⑦弾道の高さ
せいぜい、こんな程度かと思う。
それに付随して、振りやすかったかどうか、良い球が打てた割合、などから推測して評価し、購入に進む。
といったケースがほとんどだろう。
しかし、ちょっと待ってほしい。
もちルダからすると、こんなものはニの次で本当に知りたい要素が一切解らないのと同義だ。
それはなぜか??
『どうやって当たってたのか、全然わからん!!』
からである。
つまり、
弾道=結果
インパクト=原因
と考えたとき、ほとんどの場合結果ばかりしか情報を与えられないので、原因不明のままラウンドをしなければならないのだ。
これは、非常に厳しい💦💦
良い球打てた時、悪い球だったとき、両方の原因が解って初めて安定した結果を積み上げれる。
なんていう会社の新人研修で習うレベルのことが、なぜかゴルフクラブの購入現場では行われないのだ。
結果+経験からくる推測では、
ただの問診・触診レベルでしょ?
といつも思うのである。
じゃあ、どういう計測器が良いのか、それぞれの長短所を踏まえて取り上げたいと思う。
※日本の記事では初めてちゃうかな(笑)?
【弾道計測器の比較】
①サイエンスアイ:カメラ式計測
まず、現在販売店で一番多いのが、大手量販に取り入れられているこれだろう。
みなさんも、一度は目にしたことがある画面だろうと思う。
カメラ式とは、インパクト時のボールの移動した経緯を、ボールのポイントを決めて追いかける方式である。
結論から申し上げますと…
8mmビデオのおもちゃ程度の性能である。
これを用いて『フィッティング』『試打』などというお店では、まずモノを買ってはいけない。
なぜなら、カメラの性能が低すぎて、インパクト前後に高速で動く被写体(ヘッドとボール)を正しく追えないのである。
カメラ式計測器の特徴として、フック系の弾道はカメラに寄ってくる方向で飛ぶので、飛距離が出たように表示される傾向にある。
そのため、『フックの方が飛ぶ教』の普及に一役買っているが、ただの機械のバグなので信じてはいけない。
②SKYTRACK:カメラ式計測
最近増えてきている、持ち運びにも便利な弾道計測器である。
これはあくまで、どこまでどんな弾道が飛んだか?が、
だいたい解る程度の簡易型計測器である。
結果(風)なデータをベースに、推測で理由付けしていくだけの代物なので、もちルダは一切信用していない。
弾道の曲がり幅、をサイドスピンとかいう輩は
この世から早くいなくなるべきである。
どうしてもコレを使わざるを得ないときは、曲がり幅に関してはスピン軸の値を注意しましょう
③GCクワッド:カメラ式計測
カメラ式の中でも、現在あるものでは最高レベルの計測器である。
特に、クラブヘッドも撮影できるのでインパクト時のフェースの状態が下記の図のように詳細に解り、もちルダが重視する
どう当たったのか?
が非常によく理解でき、フィッティングやレッスンに使用するところは一定以上の知識が必要になるため、信用できる計測器である。
ただ、一つ難点がある。
どう飛んだのか?
があくまで推測値なので、注意が必要。
④TRACKMAN:弾道追尾式(ドップラー方式)
言わずと知れたツアーでの使用率№1計測器である。
ミサイルの弾道計測技術(ドップラー方式)を応用して造られているので、ゴルフボール程度は余裕で追いかけることができる。
そのため、どう飛んだのか?に関しては非常に精度が高い。
そして、どう当たったのか?に関しても高精度だが、ヘッドの打点やアングルに関しては、
ボールとヘッドを追尾した結果を逆算した推測値。
なのだ。
つまり弾道を追いかけさせるとピカイチだが、どう当たったか?は高度な予想の範疇、ということである。
クラブの値については、ヘッドの後方部の一点を追尾するのでアタックアングルがマイナス側に計測されやすい、といったことを覚えておこう。
※インパクトの瞬間、ヘッドがボールの下に潜り込みヘッド後方が下がる動きを捉えやすいため。
また、ヘッド後方追尾のため、オフセンターヒット時の数値が若干怪しくなりやすい。
⑤Flightscorp:弾道追尾型
上記のTRACKMANとほぼ同等の性能を誇る計測器。
TRACKMANがヘッドの追尾を、クラブヘッド後方のみで行うのに対しFlightscorpはトゥとヒールの2点で追いかけるため、インパクト時のフェースの状態を把握することに関しては、こちらの方が精度が高いだろう。
また、シャフトの挙動がどの様に推移したかを計測できるスピードプロファイルという機能を備えているので、理想的なスイングスピードの上り方を計測できる唯一の計測器(持ち運び型限定)である。
ただ、難点が一つある。それは…
TRACKMANに比べ、めちゃくちゃ地味!!!
どれだけPRが下手なんや💦というぐらい宣伝下手である。
めちゃくちゃ優秀な委員長だけど、自己主張下手すぎてクラスの主役にはなれない。
それがFlightscorpである🤣
番外編 ユピテル
よく練習場で持ち込んで、ヘッドスピードとキャリーを確かめている方を見掛けるが、端的に申し上げて、ゴミ以下である。
早く捨てたほうがいい。
そもそも、コース球との性能差が10%以上あるレンジボールで、ヘッドスピードと飛距離を知ることにどれほどの意義があるのか?
まったく理解できない。
これを使うならレーダー測定器で看板までの距離を把握して練習するほうが、よっぽどマシである。
上記の弾道計測器のなかで、真実に近いデータを示すものは、
GCクワッド 弾道:◯ フェースの状態:◎
TRACKMAN 弾道:◎ フェースの状態:◯
Flightscorp 弾道:◎ フェースの状態:◯ シャフト挙動:◎
こういった、構図となる。
コレ以外の計測器はあくまで、推測値を表記しているに過ぎないのだ!!
そして、この中でシャフトの挙動を把握できる機能があるのは、Flightscorpだけなのでそれ以外の計測器はあくまで、弾道とプレーヤーとデータ分析者の経験値からくる推測でシャフトを選定していく。
という流れのフィッティングとなる。
つまり、優秀なフィッターやティーチングプロであれば、ゴールにたどり着けるが、ただのデータ読み取りだけしかできない、知識の浅い分析者だとおかしなことになってしまう。
これが、
【弾道計測器を用いたフィッティング&レッスン】
と呼ばれるものの真実である。
皆様、くれぐれもお気をつけていってらっしゃいませ。
ようやく、これでシャフトの主題に戻れそうですね。
次回
『硬いほうが曲がらん?なら鉄の棒振っとけ!!』編です。